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AuroraSeichi

「オーロラの聖地」と言われるイエローナイフですが

オーロラの聖地

ガイドブックやテレビ番組ではイエローナイフを、「オーロラの聖地」などと紹介しています。

確かに本当のことですし、間違っているわけではないのですが、実は肝心な情報が抜けています。
ですから、この情報のままで旅行者が実際に到着すると、イエローナイフの滞在中「あれっ?」思ったり、「ええーっ!」とびっくりしたり、「何なんだここは!!」と怒ってしまうことがしばしばあります。

ガイドブックなどで抜けているイエローナイフに関する重要な情報。
それは、

イエローナイフは「観光地ではない」という事実です。

少なくとも旅行者の想像する、「観光客の滞在に対応できるように作られた街」ではありません。

しかしながら、ほとんどのメディアが「イエローナイフはオーロラの聖地と言われていて、毎年たくさんの観光客が訪れる」と紹介してしまうので、
大抵の人は「旅行者がたくさん行く=観光地」と思い込んでイエローナイフに到着すると、

  • 想像しているサービスとのギャップに驚いたり、
  • そっけないサービスにビックリしたり、
  • 人によっては怒ってしまい、
  • 誤解の解けないままイエローナイフを後にする

というケースがたびたびあります。

イエローナイフってどんな所?

「YKってどんな所?」でも触れていますが、
イエローナイフというのは

  • 大昔は先住民の集落であり白人商人との交易所。
  • 少し前からゴールドラッシュで町が大きくなった典型的な鉱山町。
  • 現在でも、街の主要産業は鉱業や政府関連業。

というところでした。
「観光」というのはこの街ではまだ「おまけの産業」なのです。

実際のイエローナイフは?

ゴールドラッシュを題材にした映画を想像してください。
もしくは、シドニィ・シェルダンの「ゲームの達人・第一章」でも良いでしょう。

  • 原野に沸いたように幾つもの木造建物が作られ、急速の大きくなる町。
  • 山盛りの資材を積んだ馬車が何台も通る埃っぽい砂利道。
  • そこをうろうろしている一攫千金を狙って鉱脈探索の男たち。
  • そこを取り締まる二挺差しの保安官や、鉱物登録をする役所や銀行。
  • 物資を供給する商人たち。スイングドアの酒場、カンカン踊りの娘たち。

どれもベタな表現ばかりですが、上記のことを想像して、この情景を現代風に建物や服装を変更してみてください。
これでやっと、実際のイエローナイフの街の姿が見えてきます。

遠くからやってくる旅行者は、こういう世界に到着します。
西部劇時代に比べれば、イエローナイフはそれほど荒っぽくないですし、行政施設ももっと広範囲なサービスを受け持つ地域中枢機能としてありますし、生活スタイルもカナダの同程度の都市としてはかなり充実した文化設備を持つまでになりました。

でも、ベースはやっぱり鉱山街なのです。
ですから、

  • とりあえず、滞在者を収容するために宿泊施設はあり、
  • 住む人が何とか暮らせるように食料品店があり、
  • みんなが凍え死にしないために服屋さんがあり、
  • 鉱物探索のための物資供給設備がいくつも作られた街。

というのが現在のイエローナイフの姿です。

観光地ではない旅行者の街

したがって、一部の宿泊施設やレストランを除き、この街の人は鉱山関係の仕事でやってくる「旅行者」には慣れていますが、「観光客」というものにはそれ程慣れていないです。
そのために、観光客がほかの観光地と同じようなサービスが受けられると思っていると、さまざまな誤解を生じることになります。

イエローナイフ以上にゴールドラッシュで一気に栄えたユーコン準州・ホワイトホースは、鉱物資源の枯渇・停滞中により既に観光事業に何年も前から取り組み始めていますから、イエローナイフはガイドブックに紹介されている都市の中で、「観光地」ではない珍しい街になっていると思います。
イエローナイフ以外ではおそらく、

  • チャーチル(マニトバ州) 10月に白熊見学ツアーがある。でも、本来は穀物積出港。
  • フォートマクマレー(アルバータ州) オーロラの観測できる街。ただし街は、世界有数の石油資源の鉱山。鉱山はSF世界の他惑星の鉱山を見ているよう。

ぐらいでしょう。

正直な話、観光業に関わる者としては、もっと街が観光客に楽しく滞在できるようになって欲しいとも思います。しかし、これはとても時間の掛かることですし、「街が観光業に本気になる=基幹産業である鉱山がピンチ」ということになるので、それを望むわけにもいきません。

観光地ではないカナダの都市

と言うことで、イエローナイフに到着する方にお願いがあります。

バックパッカーのようなスタイルでわざわざ僻地にやって来るのなら別ですが、ツアーに組み込まれる程の知名度があるのに観光地ではない街というのもほとんどないと思います。
つまりイエローナイフは、

  • 「カナダ本来の姿が見られる街」と言えます。

ですから、そこも楽しむつもりで滞在してもらえればと思います。
せっかくの機会ですから、観光地ではない本当のカナダの人たちを、イエローナイフでは見ていってください。

おまけの産業

実は、イエローナイフにとってオーロラは、観光分野でも「おまけの産業」だったりします。ここで付け足すとかなりの長さになってしまうので、このお話は別の機会に。

(2010年7月)

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